膨大なデータから過去を読み取り、未来を予想する
従来から公開されてきた株価・外国為替レート・企業の財務指標のみならず、SNSで発信された情報や企業が保有する顧客データなど大量のデータが活用できるようになっています。
その大量データから意味のある情報を取り出すのが確率統計学の役割です。その確率統計学の基礎を1年生のうちに学んでしまおうという講義科目です。
経営工学において確率統計学が多用され重要視されていることの表れとなっています。
卒業研究に向けて統計分野は必要不可欠な知識であると思い本科目を学びました。
確率や統計というと、計算の学問と思う人もいるかもしれません。しかし、実際に学んで感じたのは、小手先の計算よりも、公式の成り立ちなど確率統計の本質的な部分を学習することの重要性です。
その本質部分を深く学習するため、後に研究で用いる理論や手法などのベース部分を確立することができたと感じます。
現在は大学院で学んでいますが、確率統計学の基本から発展までさまざまな知識を用いる場面が多々あります。学んだことが無駄にならないようにしつつ、自分の知識量を増やしていくことが今後の目標です。
生産活動の計画と管理について学び深める
生産管理とは、顧客に対し「必要な製品」を「必要な時に」「必要な量だけ」「必要な場所に供給する」ために、生産活動の計画と管理を行う経営機能です。この科目では、各種生産方式を概観した上で、資材調達や在庫管理、生産進捗管理等、生産管理の原理原則について学びます。
本科目の特徴は、製造業における生産活動や各種生産方式について理解し、生産管理の基本となる在庫管理や生産進捗管理の方法を学ぶことです。生産計画を立てるためには、多くの計算式を活用します。難解な部分に関しては実際の使用事例などを確認しながら、演習問題に繰り返し取り組むことを心がけました。また、各講義のはじめには、先生が前回の演習課題を丁寧にフィードバックしてくれたことが支えになりました。
本科目を通じて、消費者に工場製品を提供する上で、生産管理が非常に重要な役割を担っているということが分かりました。また、在庫管理や生産進捗管理の各種特性・内容いついても理解が深まったと感じます。将来はこうした知識を活かして、実際の生産現場の生産性の向上に務めるような職種につきたいと考えています。
経営工学において必要不可欠な生産活動を行う上で、計画や管理をする技術は非常に大切です。計画や管理といっても内容は幅広く、在庫や需要に関することから作業順序の割り付けまでさまざま。そういった生産に関する幅広い知識を身に付けることが履修した狙いでした。授業はただ知識をインプットできるだけでなく、グループに分かれて問題を解くこともあって知識をアウトプットすることもでき、学科の人と関わってコミュニケーションを取る良い機会にもなりました。
以前は企業の裏側は何も知りませんでしたが、生産過程でさまざまな技術や手法が用いられていることを学び、率直に感心しました。在庫管理をとっても、在庫があればあるほどよいと思っていましたが、人件費や倉庫代といったコストが発生してしまうことを知って、その奥深さの一端を感じました。
限りある資源を活かす最適な意思決定のための
数理的技術を学ぶ
オペレーションズ・リサーチでは、限りある資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を効率よく使って製品やサービスの設計・計画・生産を行う際に、最適な意思決定をするための数理的技術を学びます。具体的には、数理最適化,待ち行列理論,ポートフォリオ理論,ゲーム理論などの基礎について修得します。演習課題を通して、数式を使ったモデリングの技術と問題を解くアルゴリズムについて知識を定着させます。
数学的な手法や考え方を、社会のさまざまな問題解決・意思決定の場面に役立てたいと考え、「オペレーションズ・リサーチ」を履修しました。本科目の特徴は、講義内に課題が出題され講義内に提出する点であると思います。そのため、講義内で内容を理解し演習に取り組む必要があり、学生が集中して講義に参加していた印象です。また、なぜその内容を学習するのか、その内容を学習することでどのように役立つのかを明確に示してもらえるため、内容の理解がスムーズだと思います。
本科目を学ぶことで、社会問題の状態や状況を数式などで表現する方法や、数理モデルの解法について理解が深まりました。こうした社会の諸問題をモデリングする方法やモデリングした数式の解法などを活かして、今後も社会の多様な問題を解決することができるプロセスや考え方を身につけていきたいと思います。
科学技術と先端製品の関係性を学び、
製作への理解を深める
21世紀における技術の発展と「もの」ができるまでの仕組みについて、科学技術の応用によって作り出される先端製品の製作方法について、またそれら製品の事例について学びます。科学技術と新しく作り出される製品との関係を考える力を身に付けます。
シラバスを読んでみて、科学技術の基礎と応用について学べると知ったことが、「ものづくり」を履修したきっかけです。現代社会を生きていく上で欠かせない先端製品製作技術について興味があったからです。授業は主にオンラインでしたが、図や写真をたくさん載せてくれるなど、イメージの湧きやすい工夫がありがたかったです。また、毎回ミニレポートの提出など復習の機会も設けられていて、とても学びやすかったと思います。
印象的だった回は、「生物に学ぶものづくり」。自分の身近にある製品には、生物の体系や機能、行動などを模範し活用された技術が利用されていることを学びました。ものづくりには多彩な視点が取り入れていることを発見できたのは、貴重な経験だったと感じます。
人間を理解して、人びとの暮らしやビジネスに貢献する
デザインの基礎を学ぶ
人間(ヒト)を中心とした視点で、社会の課題を解決する理論と方法を学びます。今日の価値観が多様化するダイバーシティ社会の課題を解決するには、どのようなサービスを提供するべきか、どのようなモノを創るべきか、人びとの潜在的なニーズを探り、それをデザインとして実現できる能力が必要です。この科目では、課題探求型のデザイン演習を取り入れながら、人びとの暮らしやビジネスに貢献するデザイン力を育てます。
近年では、SDGsという言葉が浸透しつつあるように、人間にとって暮らしやすい・働きやすい社会を創り上げていくことが重要視されているように感じます。こうした時代背景を踏まえ、人間を中心とした視点で課題を解決する手法・理論を学ぶ必要があると考えたため、「人間工学基礎」の授業を履修しました。
この科目は、理論や用語などを学ぶだけでなく、実際にユーザ(人間)を考慮したデザインをつくるなど、実践的な演習を行うことが特徴として挙げられます。また、人間の心理的および身体的特性を、どのように暮らしや働く場のデザインに利用するか、経営や生産の知識を含めて幅広く学びます。
ユーザに満足してもらえるデザインづくりは大変でしたが、その中で明確なターゲットユーザ(ペルソナ)を設定し、ニーズの理解や解決策の検討を行うことが有効だと学びました。また、講義内で学習したKA法や親和図法は、デザインだけでなく話し合いの場面など、多方面で活用することができると思います。将来は人間中心の視点で課題を解決する考え方を生かし、人びとが暮らしやすい社会づくりに貢献できればいいなと考えています。
ものづくりのプロセスを理解し、全体最適を目指す
ものづくりの活動においては、調達―製造―販売とさまざまな要因が有機的に連鎖しており、それらのプロセスを理解することは、生産システムの設計・管理において大変重要です。本講義ではサプライチェーン・マネジメントに関する基礎的内容を学習し、全体最適を目指したシステム管理のあるべき姿について検討を行います。
在庫管理や最適マネジメントに関する知識を深め、サプライチェーン・マネジメントの基礎知識を得るために本科目を履修しました。講義の流れとしては、基礎用語からサプライチェーンの問題点と数理的手法に基づく解決策を学んだ後、課題に挑戦することが多かったです。実用例を扱うことも多いので、どのように実践で活用されているのか想像しやすかったです。
また、物流や製造業以外にIT業界でもサプライチェーンは基礎知識とされているため、将来、物流システムや発注システムの開発や需要予測に携わる際には講義で得た知識をうまく取り入れられるようにしたいです。
「カネ」と「ヒト」に着眼し経営システムを
分析・設計する
企業は、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の経営資源を効率的に活用し、経営活動を行う必要があります。この科目では、特に「カネ」と「ヒト」を中心として、企業の予算編成からその達成のための資金調達・運用、そして企業内組織やマネジメントに関わる広い視点からの広範な知識を修得できるよう議論します。
経営工学ではヒト・モノ・カネ・情報について学ぶことが必要不可欠です。その中でも「管理会計」はカネの分野に特化し、お金を取り巻く人々の関わりなどを学ぶことで、広い視点から経営についての深い知識を得ることができます。覚えることが多いですが、ほかの授業で学んだこととの関係を考えながら勉強すると、理解しやすいかもしれません。先生が良く話しかけてくれるので質問しやすい雰囲気が特徴です。
管理技術やコスト計算を学ぶ中で、経営システムの分析・評価・設計を体系的に習得することができたと思います。また、企業の組織やマネジメントに関わる知識についても理解が深まりました。今後は公認会計士の資格を取ることが目標です。その際、企業の成り立ちや利害関係者との関わりなど、この授業で学んだことを活かしていきたいと思います。
人間を中心に置き、システムの分析・設計を学ぶ
経営システム、生産システム、情報システムなど、私たちが利用している多くのシステムは、日々、巨大化・複雑化しています。そのため、人と社会に役立つシステムを創造するには、システムの分析・設計の系統的な方法を学修する必要があります。この科目では、システムの概念を理解したうえで、システムの分析と設計のプロセス、および手法を学びます。なお講義は、技術のみにとらわれることなく、人を中心としたシステムの創造をメインテーマとして進めます。
経営工学の基礎である「品質管理」や「オペレーションズ・リサーチ」といった授業とは一風変わった内容に興味を持ち、本科目を履修しようと思いました。授業の特徴は双方向スタイル。先生が一方的に話をするだけではなく、課題の進捗を確認してくださったり、学生が発表をする機会があったりしました。
システムとはさまざまな定義があり、抽象的な内容でもあります。そのため授業課題も抽象的であり、自分で問題設定から行わなければならない点が難しいと感じました。やるべきことを箇条書きして、順番に解決していくことで課題を乗り切りましたが、そのような考え方こそがシステム的思考ではないかと思っています。授業で学んだ知識を活かし、将来はデータを使いマーケティングや需要予測等を行うデータサイエンティストとして活躍したいです。
人間工学を応用し、人にやさしい仕組みづくりを探求する
マクロ・アーゴノミクス(応用人間工学)とは、システムにおける人間と他の要素との相互作用を科学的に理解する人間工学を応用する分野であり、人々の安全・安心・快適性・健康の保持と向上に貢献する実践科学。人間の諸特性を理解し、仕事、道具・機械、環境、組織等との相互作用の適正化など、人間・機械・環境の調和を図るためにはどうすべきかを学びます。特に、労働や生活の場における人間工学および人にやさしい仕組みづくりに関して、社会的関心・ニーズの高い課題を中心に取り上げます。
企業の経営資源である「人、モノ、資金、情報」の中でも特に「人」への関心が大きくなり、「マクロ・アーゴノミクス」を履修しました。また、卒業研究ではバリアフリーについて研究したいと考えていたことも影響しています。指導方法は、スライドに穴あきの状態で資料として配って下さり、講義中に穴埋めするような形式でした。講義の雰囲気は、1回の講義自体の内容が十分にあるので履修している学生は集中して受けていたと思います。
本学科を学んだことにより、習得したことは2点あります。まず、高齢者や障がい者の方々にとって、どのような製品やサービスが見やすいか、使いやすいかという、ユニバーサルデザインの知識。そして、さまざまなフィールド調査の方法です。これからさらに少子高齢化が進むと考えられるため、高齢者の方々でも使いやすい表示方法、システムを実現することが今後の目標です。